〇遺伝子導入脂肪細胞(GMAC)による遺伝子治療の開発を行う、千葉大学発のバイオベンチャー
〇家族性LCAT欠損症を対象とした臨床試験を実施
〇ライソゾーム病,血友病B,重症糖尿病に対する治療法も研究開発中
会社名 | セルジェンテック株式会社 CellGenTech., Inc. |
所在地 | 本社/ラボ:千葉県千葉市中央区亥鼻1-8-15 千葉大亥鼻イノベーションプラザ101 東京オフィス:東京都千代田区西神田2丁目7-9 水道橋サウスビル5階 |
代表者 | 代表取締役社長 麻生 雅是 |
設立 | 2003年10月20日 |
上場 | 非上場 |
【会社概要】
遺伝子導入脂肪細胞(GMAC)による遺伝子治療の開発を行う、千葉大学発のバイオベンチャーです。家族性LCAT欠損症を対象とした、LCAT遺伝子導入脂肪細胞の自家移植治療の臨床試験を実施しています。
2018年に日水製薬株式会社から出資を受け、また2019年に株式会社ケアネットと資本業務提携を締結しています。
【事業内容】
コア技術:遺伝子治療用脂肪細胞
セルジェンテック社は、先天的な遺伝性疾患に対して、欠損遺伝子を導入した脂肪細胞(GMAC; Genetically Modified Adipocyte)移植による治療法の開発を行っています。
脂肪細胞を用いるメリットとして、
①体内での細胞のライフスパンが約10年と長い
②がん化する可能性が低い
③分泌能力が高い
ことが挙げられます。
患者自身から採取した脂肪細胞を培養し、治療用遺伝子を導入後、目的のタンパクを分泌する脂肪細胞を移植する、自家GMAC移植治療法の開発を進めています。
再生医療開発
①家族性LCAT欠損症
LCAT(レシチン:コレステロールアシルトランスフェラーゼ)は、コレステロールのエステル化に重要な酵素です。血液中のコレステロールは、LCATによりエステル化されることで高比重リポ蛋白(HDL)と結合し、肝臓に送られ代謝されます。
家族性LCAT欠損症は、先天的なLCAT遺伝子の異常によりLCATが欠損、もしくは活性低下しており、その結果血液中のコレステロールが処理されず蓄積し、角膜混濁,腎機能障害,溶結性貧血を生じる疾患です。日本国内に約100人の患者がいるとされています。厚生労働省により難病指定されており(告示番号259/通し番号 192:レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ欠損症)、現在のところ有効な治療法はありません。
セルジェンテック社は、千葉大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科の横手幸太郎 教授と共同で、2017年に家族性LCAT欠損症を対象とした臨床試験を実施しています。移植後6ヶ月間の観察の結果、安全性が確認され、また脂質代謝の改善が示唆されています。
②その他の疾患
同じく難病指定疾患であるライソゾーム病(告示番号19/通し番号 108,国内患者数 約1,000人) や、血友病B(国内患者数 約4,000人)に対する治療開発を進めています。
また、生活習慣病や高齢に伴う疾患への展開として、インスリン分泌脂肪細胞移植による重症糖尿病の治療や、神経変性を抑制するタンパクを導入した脂肪細胞によるアルツハイマー病の進行抑制療法、といった研究開発が進められています。