再生医療ベンチャー

再生医療ベンチャー#41 TESホールディングス

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〇自家骨髄由来幹細胞を用いた歯槽骨再生療法「TE-BONE」の開発・提供

〇自家真皮線維芽細胞を用いた肌再生療法「TE-SKIN」の提供

〇胎盤および臍帯血を用いた新規再生医療研究が進行中

会社名 株式会社TESホールディングス
TES Holdings Co. LTD
所在地 東京都台東区東上野2-7-5 偕楽ビル6F
代表者 代表取締役社長 林 明男
設立 2002年4月4日
上場 非上場

【会社概要】

再生医療の研究開発および提供と、臨床試験や食品関連等の評価試験の受託等を行うベンチャー企業です。再生医療においては、骨髄由来幹細胞を用いた歯槽骨再生療法「TE-BONE」、および肌再生療法「TE-SKIN」の治療提供を行っています。

社名のTESは”Tissue Engineering Support”の頭文字に由来しています。同社の林明男 代表取締役は、腎臓の再生医療に取り組むバイオベンチャーのバイオス株式会社の代表取締役も兼任しています。

【事業内容】

歯槽骨再生医療 TE-BONE

TE-BONEは、患者自身から採取した骨髄由来幹細胞から誘導した骨芽細胞を移植し、歯槽骨を再生させる治療法です。

従来の歯科インプラント治療において、インプラントを埋め込む歯槽骨の厚さが足りない場合は、患者自身の腰骨や顎骨の一部を用いた自家骨移植や、動物などの骨を用いる異種移植、もしくは人工骨による代替が行われていました。しかしながら、患者への負担や、異種骨に対する安全性への懸念、また人工骨では骨再生が起こらず、長期的に脱落が起きてしまうといった問題がありました。

そこでTESホールディング社は、東京大学医科学研究所と共同で骨髄由来幹細胞を用いた培養骨を開発しました。この方法では、患者自身から採取した骨髄由来幹細胞から骨芽細胞を分化誘導し、リン酸カルシウム等から成る生体吸収性足場材料、および生理活性物質とともに骨欠損部に移植することで、歯槽骨再生を誘導できます。2004年より、東京大学医科学研究所附属病院において臨床研究が行われ、安全性と有効性が確認されています。


(出典:歯科医向けポータルサイト インプラントネット”幹細胞を用いた骨再生治療が実用化”)

2011年に、歯槽骨の骨再生医療を対象とした「骨再生診療科」が東京大学医科学研究所附属病院に開設され、高度医療に繋げるための安全性・有効性・実用性評価の臨床研究が進められています。また、現在、提携歯科医療機関において治療が提供されています。

肌再生治療 TE-SKIN

TE-SKINは、患者自身の皮膚組織から取り出した真皮線維芽細胞を培養し、増殖させた後に、肌組織に注入することで、肌細胞の老化により起こるたるみやしわを改善(若返り)するアンチエイジング治療法です。注入された自己線維芽細胞が組織中に定着し、ヒアルロン酸やコラーゲンといった肌の張りや潤いを保つのに必要な成分を産生することで、改善効果が得られると考えられています。

同様のアンチエイジング治療を提供している企業として、株式会社セルバンクがあり、TESホールでディング社とセルバンク社は2007年に業務提携を結んでいます。

胎盤および臍帯血を用いた新規再生医療研究

上記以外の再生医療研究として、胎盤および臍帯血を用いた新規再生医療の開発が進められています。胎盤や臍帯血には、間葉系幹細胞や造血幹細胞が豊富に含まれていることが知られており、これらの細胞を抽出・培養し、以下の応用を目指して研究が進められています。

1. 胎盤由来細胞から分泌する成長因子の活用

胎盤由来細胞の融解液もしくは培養上清より有効成分を抽出し、創傷治癒やスキンケアへの応用を目指しています。

2. 臍帯血由来幹細胞の活用

臍帯血由来幹細胞を分離・培養し、骨や軟骨,皮膚,心筋細胞に分化させ、再生医療に用いることを目指しています。

2016年にイスラエル企業であるPluristem Therapeutics社と胎盤由来細胞治療に関するライセンス契約を締結し、『ヒト胎盤由来の間葉系細胞を含む医薬及び該細胞を用いたVEGFの製造方法』(国際公開WO2003/082305)の特許の権利を付与しています。

 

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