販売名 | ジャスミン |
一般的名称 | メラノサイト含有ヒト(自己)表皮由来細胞シート |
製造販売者 | 株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング |
対象疾患 | 非外科的治療が無効又は適応とならない白斑 |
承認日/保険収載日 | 2023年3月17日/ (未定) |
保険償還価格 | (審議中) |
関連文書 | 添付文書 (PMDAウェブサイト) 審査報告書 (PMDAウェブサイト) 申請資料概要 (PMDAウェブサイト) |
【製品概要】
株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング 製品概要 ジャスミン
ジャスミンは、非外科的治療が無効又は適応とならない白斑を対象とする再生医療等製品です。同じくJ-TEC社の自己表皮由来細胞シート製品 JACEと比較して色素細胞(メラノサイト)が維持されている点を特徴としています。
薬価については現在審議中です(2023年11月時点)
製品名は、社名とメラノサイト含有培養皮膚(J-TEC Autologous Cultured Epidermis Melanocytes Included)に由来します。
【対象疾患と作用メカニズム】
対象疾患
白斑は、皮膚の色素細胞(メラノサイト)が先天性、もしくは後天的に破壊されることで色素(メラニン)がほとんど生成されず、皮膚の一部が白くなる疾患です。日本では年間約90万人の新規患者がいるとされています。白斑部では紫外線による日光障害や悪性腫瘍の発生リスクが懸念されるほか、外見上の印象に与える影響が大きく生活の質(QOL)に大きく関わります。
白斑の一般的な治療法としてはステロイドやビタミンD3などの外用、紫外線もしくはレーザー照射療法といった非外科的治療、また、吸引水疱蓋表皮移植(患者皮膚の正常部位を吸引し水ぶくれとなった皮膚を採取し白斑部位に移植)などの外科的治療があります。ジャスミンは非外科的治療が無効又は適当とならない白斑が適応対象となります。
構造および作用メカニズム
ジャスミンはメラノサイトを含む自己表皮細胞シートです。イタリアのModena and Reggio Emilia大学のG Pellegrini教授・M De Luca教授らが行っていたメラノサイトを含むGreen型自家培養表皮の技術を導入し、名古屋大学医学部形成外科および皮膚科の協力を得て臨床開発されました。
患者自身の正常皮膚より分離した表皮細胞とメラノサイトから成る細胞シートであり、白斑部位に移植することで移植部位の肌色を回復させます。
【製造および治療の流れ】
ジャスミンは自己表皮由来細胞シートであるため、治療開始時に患者の正常皮膚組織を1cm2以上採取し、組織運搬セットを用いてJ-TEC社の細胞製造施設に搬送されます。
細胞製造施設で皮膚組織より表皮細胞およびメラノサイトを分離し、共に培養、シート化することでジャスミンを製造します。
医療機関では白斑部位の表皮を剥削し、その部位にジャスミンを移植します。
【臨床成績】
ジャスミンは国内第Ⅲ相試験の結果を基に申請が行われました。24例の被験者において主要評価項目である移植後52 週目の色素再生率は平均68.0%でした。
国内第Ⅲ相試験 (ACE02 試験)
種類 | 多施設共同非盲検非対照試験 |
対象 | 安定期の白斑(尋常性白斑又はまだら症)を有する患者。 ただし、尋常性白斑は既存の非外科的治療を用いて 6 ヶ月以上治療しても 縮小を認めない白斑を有する患者に限る。 |
対象患者数 | 24例 |
主要評価項目 | 移植 52 週目の色素再生率(%) |
試験結果
有効性評価 | 平均68.0±35.3% |