〇独自のNEcST細胞を用いた脊髄損傷治療開発を進めるベンチャー企業
〇脊髄損傷モデル動物試験で歩行回復を確認
〇ペット動物の脊髄損傷治療開発も手掛ける
【会社情報】
会社名 | リジェネフォーティー株式会社 Regene4T Co. |
所在地 | 本社:岡山県岡山市北区蕃山町2番12号 神戸ラボ:神戸市中央区港島南町2-2-2 クリエイティブラボ神戸(CLIK) |
代表者 | 代表取締役 中西 徹 |
設立 | 2021年1月18日 |
上場 | 非上場 |
【会社概要】
間葉系幹細胞を改良した独自のNEcST(ネクスト)細胞を用いた脊髄損傷の治療法の開発を行う就実大学発のベンチャー企業です。就実大学薬学部教授(現同大学名誉教授)の中西徹氏が自身の研究成果の実用化を目的に設立しました。
脊髄損傷モデルラットへの移植実験において歩行の回復が観察されており、今後、臨床前の実証研究や安全性試験の後に臨床研究へ進む計画です。また四国動物治療センターと共同してペット動物の脊髄損傷治療の開発も手掛けています。
【事業内容】
NEcST(ネクスト)細胞とは
NEcST細胞は間葉系幹細胞の中から特に神経分化能を有する細胞を単離、濃縮して樹立された細胞であり、神経細胞への分化能とともに、神経修復因子分泌能を有しています。神経(Neuron )と幹細胞(Stem cell)に濃縮(concentration)を加えたそれぞれの頭文字をとって命名されました。
リジェネフォーティー社ではこのNEcST細胞を用いた脊髄損傷の治療法の開発を進めています。
NEcST細胞による脊髄損傷治療
脊髄は脊椎(背骨)の中にある神経軸索の束であり、脳と体の各部位との伝達経路の期間となる重要な組織です。脊髄損傷は事故やスポーツなどの外傷により脊椎が骨折や脱臼することで脊髄が損傷した状態であり、正常な神経伝達が行われないため各部位に運動および感覚麻痺が生じ、損傷部位が脳に近いほど広範囲に麻痺が起こる重症例となります。国内での患者数は約10万人、また年間新たに約5,000人が脊髄損傷を発症しているとされています。
脊髄損傷モデルラットを用いた動物実験では、後足が動かず歩行ができないラットにNEcST細胞を移植することで後足が動くようになり、歩行できるまでに回復する様子が観察されています。今後、臨床前の実証研究として規模を拡大した動物試験や安全性試験を行った後に国内もしくはアジア諸国での臨床研究が計画されています。
脊髄損傷ペット犬の治療開発
人間と同様に、犬などの動物においても交通事故等の外傷により脊髄損傷は発生します。そこで同社は四国動物医療センターと共同して、脊髄損傷となったペット犬へのNEcST細胞移植治療の開発を進めています。これまでに、後躯麻痺のイヌにNEcST細胞を投与することで約1ヶ月後にしっぽが動くようになった様子(動画)が観察されています。
現在、クラウドファンディングを活用したプロジェクトにより治療実験が行われています。