〇最適な治療効果を有するCAR-T細胞を選択する独自技術” Eumbody System™”
〇膠芽腫を対象とするCAR-T細胞療法の臨床試験を準備中
〇第一三共社、国立がん研究センター、韓国GI CELL社と共同研究が進行中
【会社情報】
会社名 | オプティアム・バイオテクノロジーズ株式会社 Optieum Biotechnologies Inc. |
所在地 | 愛媛県東温市志津川 454 |
代表者 | 代表取締役 西岡 駿 |
設立 | 2020年6月30日 |
上場 | 非上場 |
【企業理念/ミッション】
【会社概要】
独自の新規抗体作成技術「Eumbody System™」を用いて効果の高いCA-T細胞療法の開発を行う愛媛大学発のベンチャー企業です。愛媛大学大学院医学系研究科の越智俊元特任講師らが開発した技術を元に創業されました。
同技術では、同社が保有する一本鎖抗体(scFv)ライブラリを基にCAR-T細胞集団を作製し、標的抗原への結合力のみでなく活性化の持続性等を指標にスクリーニングすることで、総合的に治療効果の高いCAR-T細胞を選択するこが可能となります。
同社の事業はNEDOの支援事業に採択されており、また第一三共社や国立がん研究センター、韓国GI CELL社と同技術を用いた共同研究が進められています。
社名は「免疫治療を最適化する(Optimize)」という意味と、「愛媛大学医学部・医学系研究科の英語の頭文字(Ehime University School of Medicine)」に由来しています。
【事業内容】
コア技術:Eumbody System™
オプティアム・バイオテクノロジーズ社の基盤技術は、愛媛大学大学院医学系研究科の越智俊元特任講師らが開発したEumbody System™ と名付けられた一本鎖抗体作製技術です(Ochi et al.COMMUNICATIONS BIOLOGY (2021) 4:273)。同社はヒトB細胞由来の抗体の軽鎖(VL)および重鎖(VH)それぞれの一本鎖(scFv)ライブラリを保有しており、そこから作製したCAR-T細胞の集団から最適なCAR-T細胞を選択します。
CAR-T細胞に導入するキメラ抗原受容体(CAR)は、抗原を認識する細胞外ドメインと、標的抗原と結合後にT細胞を活性化させる細胞内ドメインから構成されます。細胞外ドメインについては、従来のCAR-T細胞では標的抗原との結合力の強い配列が選択されていましたが、結合力が強くT細胞が過剰に活性化されることでT細胞が疲弊、さらには細胞死を起こすことで治療効果が持続しないことが問題となっており、細胞外ドメインの最適化が課題となっています。
そこで同社では、Eumbody System™を用いて最適な細胞外ドメインのscFvの選択を行っています。
前述の通り、CARの細胞外ドメインのscFvの結合力の強さとCAR-T細胞の治療効果は必ずしも一致しません。そこでEumbody System™では、scFvの段階でスクリーニングを行うのではなく、保有するscFvライブラリを基に作製したCAR-T細胞集団から、結合力のみでなくT細胞の活性化の持続力、増殖力も評価指標としてスクリーニングを行い、総合的に治療効果の高いCAR-T細胞を選択することが可能となっています。
同社の事業は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2021年度「研究開発型スタートアップ支援事業/シード期の研究開発型スタートアップに対する事業化支援」に採択されており、同支援の下開発が進められています。
開発パイプライン
オプティアム・バイオテクノロジーズ社では複数のパイプラインが進行中です。
最も開発が進んでいるパイプラインは膠芽腫(悪性脳腫瘍)を対象としたFAPα-CAR-T細胞であり、現在、臨床試験の準備が進められています。
また、第一三共社と特定のがんに対するCAR-T細胞の共同研究(標的は非公開) 、国立がん研究センターと固形がんを対象とするCAR-T細胞の共同研究、韓国GI CELL社と血液がんを対象とするCAR-NK細胞の共同研究開発が進められています。