〇iPS 細胞関連のポータル・カンパニー
〇疾患iPS細胞の作製・提供,細胞培養試薬・機器等の開発支援,教育・研修の3つのiPS細胞関連事業がメイン事業
〇アカデミア発ベンチャーの設立をサポートしており、これまでに3社を支援もしくは共同設立
会社名 | 株式会社iPSポータル iPS PORTAL, Inc. |
所在地 | 京都府京都市上京区河原町通今出川下ル梶井町448-5 クリエイション・コア京都御車 |
代表者 | 代表取締役社長 村山昇作 |
設立 | 2014年7月31日 |
上場 | 非上場 |
【会社概要】
アカデミアと事業会社の間に位置し、iPS 細胞関連事業について幅広い分野をカバーするポータル・カンパニー(玄関口)を目指し2014年に設立され、iPSアカデミアジャパン株式会社からiPS 細胞の細胞販売事業,研究事業等を継承しています。基本理念にある通り、自ら創薬や再生医療を行うのではなく、それらを行う企業や研究者にパートナーとして支援をすることを目的としています。
【事業内容】
iPS細胞関連事業
iPS細胞関連事業として、主として①疾患iPS細胞の作製・提供,②細胞培養試薬,機器等の開発支援,③教育・研修の3つの事業を展開しています
①疾患iPS細胞の作製・提供
同社は国家戦略特別区域認定事業者として、患者血液由来iPS細胞(疾患iPS細胞)を作製し提供できる唯一の企業です。現在、アルツハイマー病とパーキンソン病由来のiPS細胞が提供されています。また、これらの細胞を用いた分化誘導や、各種評価試験の受託も行っています。 顧客提供細胞からのiPS細胞樹立サービスも行っています。
②試薬・機器・装置開発支援
細胞培養試薬や機器、分析装置、測定機器などの開発をメーカーと共同で進めています。同社は開発パートナーとして、iPS細胞の技術研究の経験を活かし、コンサルティングを行います。これまでに、水戸工業株式会社からスフェロイド作製用プレート『SPHERICALPLATE 5D』が製品化されています。
③教育・研修
社外向けの教育・研究サービスです。「iPS細胞研修」と「臨床培養技能者養成研修」の2つのコースがあります。
〇iPS細胞研修
実際にiPS細胞を用いて、未経験者を対象とした一般的な細胞培養作業(1日コース)や、iPS細胞培養従事者を対象としたiPS細胞特有の培養方法,品質管理方法(1.5日コース)を学べます。
〇臨床培養技能者養成研修
製造業務に携わる専門的人材の育成として、臨床培養技能者を対象とした5日間の研修です。同社のCPC施設は、再生医療イノベーションフォーラム(FIRM)より「臨床培養技術者養成制度」の研修箇所としての認定を受けています。同施設において、臨床培養技術者として必要な組織体制、関連法規、文書体系、培養操作技能について学べます。
iPS細胞活用ガイド
“iPS細胞活用ガイド”というiPS細胞についての情報サイトを運営しています。同サイトは、iPS細胞の培養技術や市販の培養試薬,分析装置の情報が載せれており、またNPO法人オール・アバウト・サイエンス・ジャパンが提供する学術論文紹介(iPS細胞に関わらず幅広い範囲の学術論文の紹介)を掲載するなど、まさにiPS細胞のポータルサイトといった内容となっています。
ベンチャー支援
優れたアカデミアシーズの事業化を促進することを目的として、大学発ベンチャーの立ち上げサポートや薬事支援を行っています。これまでに、以下の3社が同社の支援を受け設立されています。
・株式会社セル―ジョン:慶応大学医学部発ベンチャー。iPS細胞由来角膜内皮細胞による再生医療の研究開発を行っています。
・レグセル株式会社:大阪大学/京都大学 坂口志文教授,京都大学 河本宏教授との共同ベンチャー。制御性T細胞を利用した医療技術の研究開発を行っています。
・株式会社レイメイ:大阪大学 西田幸二教授との共同ベンチャー。iPS細胞による角膜組織の再生を目指しています。
COTO LABO コンソーシアム
高度な「透明性」「再現性」「効率性」を具備した次世代ラボの社会実装に向けた技術開発を目指して、COTO LABO コンソーシアム(Communication Tool Oriented/Originated LABOratory)を設立しています。本コンソーシアムは同社を始め、ア ース環境サービス株式会社、株式会社 NTT データ、オリンパス株式会社、株式会社片岡製作所、株式会社島津製作所、大成建設株式会社、株式会社日立産機システムの8社で構成されており、共同して実験操作の正確性/トレーサビリティを評価可能な新規システムの開発、本システムおよび新たな環境基準を組み込んだモデルラボの構築を目指しています。