再生医療ベンチャー

再生医療ベンチャー#23 マイオリッジ

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〇「プロテインフリー分化誘導」による低コストで安定したiPS細胞からの心筋細胞誘導

〇細胞と解析ソフトウェアと合わせた創薬ツールを提供

〇再生医療製品開発も進行中

会社名株式会社マイオリッジ
Myoridge Co. Ltd.
所在地京都市左京区吉田下阿達町46-29
医薬系総合研究棟305号室
代表者代表取締役 牧田直大
設立2016年8月10日
上場非上場

【会社概要】

iPS細胞から低分子とアミノ酸のみで心筋細胞を誘導する独自技術「プロテインフリー分化誘導方法」の事業化を目指すバイオベンチャーです。この技術では、従来の誘導方法に比べ1/100のコストで安定したiPS細胞由来心筋細胞を誘導することが可能です。この技術を基に、創薬ツール等の研究用としての心筋細胞の提供を行っています。 同社の牧田社長は、大学院修士時代に本技術開発者の南技術顧問に誘われ、大学院を中退し創業者となった非常に若い経営者です。 社名は「筋肉」を意味する”myo”と「隆起」を意味する”ridge”を組み合わせた語で、会社ロゴは力こぶを表しています。心筋細胞を提供する会社であることと、牧田社長と南技術顧問が格闘技を通じて知り合ったということも関係していると思われます。

【事業内容】

プロテインフリー分化誘導方法による心筋細胞誘導

マイオリッジ社の基盤技術は、京都大学の南一成助教(当時)が開発したプロテインフリー分化誘導方法によるiPS細胞からの心筋細胞誘導です。従来の誘導方法では効果で製品ロット差のあるタンパク試薬を用いるのに対し、同技術では比較的安価でロット差の少ない低分子とアミノ酸により誘導するため、従来の1/100のコストでロット差の少ない安定した心筋細胞の誘導が可能となります。

本技術では90%以上の高純度でのiPS細胞由来心筋細胞誘導が可能であり、得られた心筋細胞はHERGやKCNQ1といった心筋チャネル構成分子やcTnT, αActinといった筋繊維構成分子の遺伝子発現が実際の心筋細胞と同レベルであり、浮遊培養により形成される3次元構造体では、発達した筋繊維サルコメア構造が確認されています。

また、HERGカリウムチャネルブロッカー。カルシウムチャネルブロッカー、交感神経β1受容体・β2受容体作動薬等、数十種類の化合物に対する薬剤応答性も確認されています。

この心筋細胞を、三次元培養により大量に生産し、独自の新規凍結保存方法により安定的に供給します。

創薬ツール

同社はGCaMP遺伝子導入iPS細胞からの心筋細胞も作製しています。GCaMPはカルシウム濃度に応じて蛍光強度が変化するため、例えば薬剤に対する心臓の拍動の変化を蛍光強度としてモニタリングすることができます。同社はエルピクセル社と共同で、心筋細胞のモーション解析と蛍光解析が可能なソフトウェア『Carmy Analyzer』を開発しており、細胞と合わせて創薬ツールとして提供しています。

再生医療製品

同社のiPS細胞由来心筋細胞による再生医療製品の開発が進められており、心筋梗塞ラットへの細胞注入移植において高い生着率が見られ、梗塞領域をほぼ置換できたことが確認されています。

疾患iPS創薬活性化コンソーシアム

同社は、疾患iPS創薬活性化コンソーシアムに立ち上げメンバーとして参画しています。本コンソーシアムは、iPS細胞を用いた疾患モデル作製技術や解析技術、化合物ライブラリーといったiPS創薬に必須の技術を持つ企業や学識者によるコンソーシアムであり、次世代創薬開発の推進を目的としています。

iCeMS発ベンチャー

同じくiCeMS発ベンチャーであり、低分子化合物によるiPS細胞由来心筋細胞誘導を基盤技術とする会社として、株式会社幹細胞&デバイス研究所(SCAD)があります。SCAD社の誘導方法も、南技術顧問がiCeMSにおいて開発したプロテインフリー分化誘導方法を基としており、創薬ツール開発企業としての競合性はありますが、どちらかというと姉妹会社に近い関係性です。マイオリッジ社が誘導方法の改良や大量培養法、保存方法などの細胞生産の開発を進めているのに対し、SCAD社がデバイスを中心として開発を進めているという位置付けとなっています。

 

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