再生医療ベンチャー

再生医療ベンチャー#56 セルージョン

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〇iPS細胞由来の角膜内皮細胞による、水疱性角膜症を対象とした再生医療の開発を行うベンチャー

〇iPS細胞からの角膜内皮細胞誘導や、安定的な大量培養技術、造腫瘍性を短期間で評価できる試験法を開発

〇2022年に治験実施、2023年に製造販売の承認申請を計画

 

【会社情報】

会社名 株式会社セルージョン
Cellusion Inc.
所在地 東京都中央区日本橋室町一丁目13番7号 PMO日本橋室町305号室
代表者 代表取締役 羽藤 晋
設立 2015年1月
上場 非上場

 

【会社概要】

iPS細胞由来の角膜内皮細胞による水疱性角膜症を対象とした再生医療の開発を行う、慶應義塾大学発のバイオベンチャーです。同大学医学部眼科教室の角膜移植専門の眼科医であった羽藤晋 代表取締役によって、iPS細胞による水疱性角膜症の治療方法の実用化を目的に設立されました。iPS細胞からの角膜内皮細胞誘導や、安定的な大量培養技術、造腫瘍性を短期間で評価できる試験法を開発しており、2022年に治験実施、2023年に製造販売の承認申請を行う計画となっています。

日本を代表する技術系ベンチャー企業を表彰する、「J-TECH STARTUP 2019」のアーリー枠の認定企業として選定されています。

 

【事業内容】

iPS細胞由来角膜内皮細胞による再生医療

①角膜内皮細胞

(出典:AMED/京都府立医科大学/同志社大学 2018年3月15日付プレスリリース)

角膜は、眼の表面にある透明な層組織です。角膜内皮はその最内部にある単層のシート状組織です。角膜には血管が存在しないため、房水から水分および栄養分を吸収します。その際の余分な水分を内皮細胞を介し排出することで、角膜組織の含水率を一定に保ち、透明性や恒常性が維持されています。

②水疱性角膜症

(出典:AMED/京都府立医科大学/同志社大学 2018年3月15日付プレスリリース)

水疱性角膜症は、角膜内皮組織が外傷や疾病、白内障手術などにより障害を受けることで、角膜の透明性を維持することができなくなり、角膜に浮腫と混濁を生じる病態です。角膜内皮細胞は通常体内では増殖しないため、現在のところ、角膜移植が唯一の治療となっています。

しかしながら、角膜移植治療においてはドナー不足が問題となっており、国内で角膜移植を必要とする患者数約2万人(そのうち約半数が 水疱性角膜症)に対し、年間の移植件数は2,200件程度(2006年調査)となっており、患者数の約1/7しか移植を受けられていない状況となっています。全世界で見ても同様の状況であり、1270万人の角膜移植待機患者に対して実施数は約18万件と、同じく患者数の約1/7の移植件数となっています。

③iPS細胞由来角膜内皮細胞移植

(出典:株式会社セルージョン ウェブサイト)

角膜移植治療においては、上記のドナー不足以外にも、手術法の難しさや、乱視,感染,拒絶反応,緑内障等の合併症の危険といった問題があります。 そこで、角膜内皮細胞移植の開発が進められています。この治療法は、前房内に角膜内皮細胞の懸濁液を注入する方法であり、高度な技術は必要とせず、また患部への侵襲が低く予後がよいといった特徴があります。京都府立医科大学の木下茂教授らは、ドナー由来の角膜内皮細胞を生体外で培養し大量に増やして用いる「培養ヒト角膜内皮細胞移植」の臨床試験を実施し、安全性と有効性を確認しています。

これに対しセルージョン社は、ドナー不足問題を根本的に解決するために、iPS細胞由来角膜内皮細胞を用いた細胞移植治療の開発を行っています。慶応義塾大学と共同して、iPS細胞から直接角膜内皮細胞を誘導し安定的に大量に培養する技術や、造腫瘍性を短期間で評価できる試験法を開発しています。 今後は2020年より臨床研究を開始し、2022年に治験実施、2023年に製造販売の承認申請を行う計画となっています(2020年1月11日付 日本経済新聞)。

 

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