再生医療ベンチャー

再生医療ベンチャー#13 セルソース

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〇膝の変形性関節症の治療のための脂肪由来間葉系幹細胞の細胞培養受託を主事業として、法規対応サポート、美容製品開発・販売等様々な事業を展開

〇シーズではなくニーズを基に創業されたマーケット発ベンチャー

〇創業以来、黒字経営を継続

会社名 セルソース株式会社
CellSource Co., Ltd.
所在地 本社:東京都渋谷区渋谷1-19-5 渋谷美竹ビル2F
セルソース再生医療センター:東京都渋谷区渋谷1-17-2 ヒューリック
渋谷宮下公園ビル2F
代表者 代表取締役社長CEO 裙本 理人
設立 2015年11月30日
上場 2019年10月28日 マザーズ (4880)

【会社概要】

膝の変形性関節症の治療のための脂肪由来間葉系幹細胞の細胞培養受託を柱に、法規対応サポート、美容製品開発・販売等様々な事業を展開するバイオベンチャーです。

研究技術シーズを基に設立されることがほとんどのバイオベンチャーの中では珍しく、商社出身の裙本理人CEOが創業した”マーケット発ベンチャー”で、創業1年目から黒字経営を続けています。2019年10月28日に東証マザーズ市場に上場予定です(2019年9月現在)

【事業内容】

主事業である細胞培養受託を始めとして、再生医療法規対応サポート、社外組織との共同研究/共同事業、美容製品開発・販売、ITと医療情報の融合等、様々な事業を展開しています。

細胞培養受託

全国の医療機関と提携し、脂肪由来間葉系幹細胞(以下、脂肪幹細胞)およびPRPの製造受託を行っています。同社の再生医療センターは2017年2月に特定細胞加工物製造許可を取得しています(施設番号:FA3160006)。

①脂肪幹細胞

同社の提供する脂肪幹細胞(サービス名:セルソース®培養幹細胞)は、変形性関節症の治療を目的としています。変形性関節症は、加齢や半月板損傷等のけがにより関節の軟骨がすり減るなどの傷害を受けた状態で、関節周囲を取り囲む滑膜の炎症を伴い、軟骨部での骨形成が生じることもあります。これにより患部での血管造成や神経線維の増生による関節包の線維化が起こり、痛みが生じます。特に膝や腰で多く起こり、日本国内では800万人以上が変形性膝関節症による痛みに苦しんでいると言われています。 患部に脂肪幹細胞を投与することで、脂肪幹細胞が炎症を抑えると同時に線維化を抑制することで、関節炎が抑制され痛みの低減されると考えられています。同社の脂肪幹細胞を用いた臨床結果がThe American Journal of Sports Medicineに報告されています(Yokota et al. Am J Sports Med 47;2577-83,2019)。

同社の再生医療センターにおいて、医療機関より提供された患者脂肪組織より脂肪幹細胞を抽出・培養・凍結保存した後、医療機関に送られ治療に用いられます。

②PRP

多血小板血漿(PRP; Platelet-Rich Plasma)は、血液の血小板画分を濃縮したもので、EGFやPDGFといった成長因子を豊富に含むとされており、プロスポーツ選手の肘や膝の治療に使われたことで注目されています。

セルソース社では、医療機関より提供された患者血液を、通常のPRPよりさらに濃縮させた上で無細胞化し、長期間保蔵可能な凍結乾燥品に加工し、提供しています。

再生医療法規対応サポート

医療機関において再生医療を実施すにあたっては、再生医療等安全性確保法に従った施設運用や各種申請が必要となります。セルソース社では、その運用や申請のサポートサービスを提供しています。2018年からジンマー・バイオメットと提携し、法規対応から細胞治療まで一括で支援する再生医療導入支援サービスを行っています。

共同事業/共同研究

同社は社外の多くの研究機関や企業と共同研究や共同事業への参画を行っています。

①脂肪幹細胞

同社は、琉球大学を中心に運営される再生医療産業活性化推進事業運営共同体に参画しており、平成29年度沖縄県「再生医療産業活性化推進事業」の業務委託先に採択されています。本事業は、脂肪幹細胞を中心とした再生医療産業の活性化の基盤を沖縄につくることを目的とした事業です。同社は本事業において、脂肪幹細胞の抽出・培養を担当しています。

また、特定細胞加工物としての脂肪幹細胞の搬送法、製剤の製造方法の評価方法の検討を、ロート製薬と共同で進めています。

②エクソソーム

近年、細胞から分泌される”エクソソーム(Exosome)”という小胞が、細胞間のコミュニケーションにおいて機能的な役割を果たしていることが明らかになり、注目されています。

同社は脂肪幹細胞のエクソソームを変形性関節症への臨床応用を目指して、テオリアサイエンス株式会社および大阪大学大学院医学研究科とそれぞれ共同研究を進めています。

③Muse細胞

Muse細胞(Multi-lineage differentiating Stress Enduring cell)は、生体中の間葉系組織(骨髄,皮膚,脂肪など)や結合組織、末梢血中に存在する多能性幹細胞で、分化能が高い一方で造腫瘍能がないため、再生医療への応用が期待されています。

同社はMuse細胞の抽出・培養法について自治医科大学と共同研究を行っています(2018年5月に満期終了)。

美容製品開発

細胞培養の知見を活かして、独自の配合成分「Signa-Peptide®」を開発し、それを配合したオリジナルブランドのスキンケア化粧品「Signalift」シリーズを販売しています。

また、ヤーマン株式会社と提携し、エイジングケア美容液「セルアイリフトセラム」を共同開発しています。

テクノロジー×医療

同社は、ブロックチェーン技術の活用による不可逆的な医療情報の記録と共有やAI技術を用いた医療情報の解析といった「テクノロジー×医療」への取り組んでいます。2017年にGoogle日本法人名誉会長の村上憲郎氏を社外取締役として招聘し、この取り組みを加速させています。

アスリート・スポンサー

同社は、プロランナー・神野大地選手と所属契約を結んで支援しています。神野選手は青山学院大学3年時に、箱根駅伝往路5区で区間新記録を樹立し、”3代目山の神”と呼ばれ活躍しました。現在はプロランナーとして、2020年の東京オリンピックへの出場を目指しています。同社が提供するPRPは、アスリートが治療に利用したことで注目を浴びた治療法であることや、同社の裙本CEOがトライアスロンを趣味としていることが今回のスポンサー契約につながったのではないかと思われます。

 

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