〇骨髄間葉系幹細胞を用いた、急性脳梗塞治療の開発
〇独自のスクリーニング法により、脳神経保護作用のある細胞集団を選別
〇FDAより治験承認を受け、アメリカでの治験準備中
会社名 | NCメディカルリサーチ株式会社 NC Medical Research, Inc. |
所在地 | 東京都港区虎ノ門4-3-1 城山トラストタワー17F |
代表者 | 代表取締役社長 佐々木 経世 |
設立 | 2004年12月14日 |
上場 | 非上場 |
【会社概要】
骨髄由来間葉系幹細胞による、急性脳梗塞の再生医療製品の開発を行うバイオベンチャーです。開発中パイプラインのNCS-01について、2019年7月に米国FDAよりIND(新薬臨床試験開始届)の承認を受け、治験の準備が進められています。
親会社であるイーソリューションズ株式会社のライフサイエンス事業部門子会社として設立されました。同社は自社内に研究開発機能を持たず、研究開発コンサルタントや医薬品製造受託機関(CMO)などと連携しながら、研究開発を進めています。2017年9月に富士フィルム株式会社から出資を受け、それと共に再生医療製品の開発・製造受託に関する業務提携契約も締結しています。
社名の“NC”は”Neural Cell (神経細胞)”を意味しており、脳梗塞などで傷ついた神経細胞の再生治療法の確立を目指しています。
【事業内容】
開発パイプライン: NCS-01/急性脳梗塞
①細胞スクリーニング
急性脳梗塞を対象とした、骨髄由来間葉系幹細胞治療薬NCS-01の開発が進められています。
NCS-01は、骨髄から採取した細胞から接着性の細胞を回収し、以下の独自の二段階スクリーニング法により、脳神経保護作用のある細胞集団を選別しています。
第1段階:In vitroスクリーニング
ラットのニューロンおよびアストロサイトを用いた、酸素グルコース枯渇(OGD)モデルによりスクリーニングを行います。
低酸素・無グルコースの条件下で培養したニューロンおよびアストロサイトを、骨髄由来細胞集団と共培養後に、ニューロンおよびアストロサイトの生存率と、血管新生因子であるFGF-2,神経保護作用のあるIL-6の産生量を基準に、最適な細胞集団を選別しています。
第2段階:In vivoスクリーニング
第一段階で選別した候補細胞集団の中から、中大脳動脈閉塞(MCAO)モデルラットによる動物試験によりスクリーニングを行います。
MCAOモデルラットに、候補細胞集団を投与した後に、脳内虚血領域中の細胞生存率、梗塞部位の体積、神経学的機能(改変ベーダーソン神経学的試験)を評価基準として、急性脳梗塞の治療に最適な細胞医薬としての細胞集団を選別しています。
②臨床開発状況
日本、アメリカの2ヶ国で臨床試験の準備が進められています。2019年7月にFDAよりIND(新薬臨床試験開始届)が承認され、現在、治験(第I/II相)の準備が進められています。
2017年に富士フィルム社と再生医療製品の開発・製造受託に関する業務提携契約を締結しており、富士フィルム子会社のジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)社から再生医療等製品の開発や薬事についてのコンサルティングの元、開発が進められています。