〇iPS細胞由来の血小板製剤の臨床応用を目指すバイオベンチャー
〇独自の技術で安定した大量生産工程を確立
〇現在、臨床試験準備中
会社名 | 株式会社メガカリオン Megakaryon Corporation |
所在地 | 京都オフィス 京都市下京区中堂寺南町134京都リサーチパーク2号館 京都ラボ 京都市下京区中堂寺南町134京都リサーチパークKISTIC 京都市下京区中堂寺南町134京都リサーチパーク2号館 東京オフィス 東京都港区白金台4丁目6番1東京大学医科学研究所1号館337 |
代表者 | 代表取締役社長 三輪玄二郎 |
設立 | 2011年9月9日 |
上場 | 非上場 |
【会社概要】
輸血医療に「一世紀ぶりのイノベーション」を目標に、輸血に応用できるiPS細胞由来の血小板製剤の開発を行うバイオベンチャーです。東京大学医科学研究所の中内啓光教授と京都大学の江藤浩之教授が開発したiPS細胞からの血小板産生技術の臨床応用を目指して2011年に設立されました。2019年10月現在、臨床試験へ向けて準備中です。
創業者でもある三輪社長は、中内教授と麻生高校の同級生であり、同窓会でこのiPS細胞由来血小板の事業化について相談されたのが同社設立のきっかけとなりました。血小板を産生する巨核球(megakaryocyte)が同社の社名の由来となっています。
また、三輪社長はForbes Japanの「日本の起業家ランキング2018」で1 位に選出されています。
【事業内容】
iPS細胞からの血小板産生技術
同社のiPS細胞由来血小板産生では、iPS細胞から巨核球細胞を誘導し、その巨核球細胞が産生する血小板を分離して用います。血小板は細胞核をもたないため、iPS細胞由来の細胞製品で問題とされるがん化は理論的には起こりません。また血小板製剤は放射線照射ができるため、その過程でその他の細胞は死滅するため、血小板以外の細胞の混入も防ぐことができます。
同社の血小板産生工程は以下の特徴を備えています。
①細胞保存
現在の献血/輸血においては、血小板の保存期間の短さが大きな問題となっています。血小板は凍結保存することができず、献血で得られた血小板は4日間しか保存できません。そこで同社は巨核球前駆細胞をマスターセルとして凍結保存し、そこから必要に応じて成熟巨核球を誘導し、血小板を産生させる工程を確立しています。
②大量生産方法
また、血小板製剤では1回の輸血に2~3000億個(2~3×1011個)と非常に多くの細胞数が必要となります。そこで同社は、巨核前駆細胞の前段階の造血前駆細胞に「細胞の増殖」「老化の防止」「細胞死の防止」の機能を持つ3つの遺伝子を導入することで、不死化巨核球前駆細胞を作製し、安定して大量の血小板を産生できる工程を確立しています。
③希少HLA型への対応
希少なHLA型患者への対応するために、希少なHLA型を持つiPS細胞を樹立し、それらからマスターセルを作製・バンキングすることが計画されています。
臨床試験
2018年9月に厚生労働省から臨床試験が承認されました。現在、臨床試験に向けて大量生産の体制の構築が進められています。また、米国においてもIND申請の準備が進められています。