〇薬剤封入ナノ粒子を取り込ませた脂肪幹細胞による再生医療
〇スタチン封入ナノ粒子-脂肪幹細胞による全身性強皮症の治療の開発が進行中
〇薬剤封入ナノ粒子-脂肪幹細胞が分泌するエクソソームを用いて、皮膚再生,増毛・育毛用外用剤を開発中
【会社情報】
会社名 | ノバセラ株式会社 Novumcella Inc. |
所在地 | 東京都港区新橋3-11-8 オーイズミ新橋第2ビル 805号室 |
代表者 | 代表取締役社長CEO 楠原康敬 |
設立 | 2016年9月7日 |
上場 | 非上場 |
【会社概要】
薬剤封入ナノ粒子を取り込ませた脂肪幹細胞による再生医療の開発を行っているバイオベンチャーです。大阪医科大学の伊井正明 博士の開発した技術を基に、全身性強皮症の治療法の開発を進めています。また皮膚疾患治療用として、皮膚再生用や増毛・育毛用の外用剤の開発も進めています。
なお、同社と大阪医科大学との共同研究は2019年8月20日付で中止されており、2020年1月15日に伊井氏が再生医療安全性確保法違反等の容疑で逮捕された件については、同社とは一切関係がないことが表明されています(「2020年1月21日:弊社に関わる最近の報道につきまして」)。
【企業理念/ミッション】
【事業内容】
コア技術:脂肪幹細胞+PLGAナノ粒子
スタチン等の薬剤を封入したPLGA(ポリ乳酸グリコール酸共重合体)のナノ粒子を脂肪幹細胞に取り込ませた、薬剤封入ナノ粒子包含脂肪幹細胞が独自技術です。この技術は日本で特許査定、および米国で成立しています。
大阪医科大学の伊井正明 博士の開発した技術で、薬剤封入ナノ粒子を取り込んだ脂肪幹細胞は、ドラッグデリバリーシステムとして働くとともに、増殖力や遊走能等の細胞自身の機能も向上し、治療効果を高めています。 また、それらの細胞が分泌するエクソソームを用いて、皮膚再生,増毛・育毛用外用剤の開発も行っています。
再生医療事業
①全身性強皮症
全身性強皮症は、皮膚や内臓等の全身に硬化が起こる疾患で、皮膚硬化,肺線維症,血管内皮障害,強皮症腎クリーゼ(致死的な腎不全),逆流性食道炎などを引き起こします。日本国内の患者数は約2万人で、厚生労働省により難病指定されています(告示番号 51/通し番号 63 : 全身性強皮症) 。原因は解明されておらず、各症状に対する治療法はあるものの、全身性強皮症自体の根治的な治療法はありません。 大阪医科大学の伊井正明 講師は、高コレステロール血症治療薬であるシンバスタチンを封入したPLGAナノ粒子と脂肪幹細胞を共培養することで、薬剤封入ナノ粒子を取り込んだ脂肪幹細胞を開発し、細胞増殖と遊走能が増強されることを見出しています。 この細胞を強皮症モデルマウスに投与した結果、脂肪幹細胞自身の能力増強と、脂肪幹細胞の集積によるドラッグデリバリー効果により、皮膚の厚さが正常皮膚と同等までに回復することが示されています。
ノバセラ社は、大阪医科大学から独占的通常実施権を取得し、現在自社開発として治験の準備を進めており、2022年の条件・期限付き承認取得を目指しています。
②増毛・育毛用外用剤
伊井講師らは、シンバスタチン封入PLGAナノ粒子-脂肪幹細胞の培養上清から回収したエクソソーム中に、血管新生や細胞増殖因子であるVEGFやFGF-2, HGFのmRNAが含まれることを見出しました。このエクソソームを除毛したマウスの皮膚に塗布することで、毛根の血流増加および発毛の促進が認められています。
ノバセラ社は、このエクソソームを用いた増毛・育毛用外用剤の開発を進めています。
③バージャー病による重症四肢虚血
インドのバイオテクノロジー企業であるStempeutics Research India社と提携し、バージャー病による重症四肢虚血を対象として、他家骨髄間葉系細胞製品Stempeucel®の日本市場への導入を進めています。ノバセラ社は、日本での商品化のためのブリッジング試験の実施について、薬事サポートサービスを提供します(2020年6月1日付 プレスリリース)。
④皮膚再生外用剤
伊井講師らは、エストラジオール封入PLGAナノ粒子-脂肪幹細胞の培養上清から回収したエクソソーム中に、同様にVEGFやFGF-2, HGFといった血管新生因子や細胞増殖因子のmRNAが含まれていることを確認しています。閉経後女性モデルである卵巣摘出マウスの皮膚に塗布した結果、皮膚真皮層の繊維芽細胞の増殖効果が認められています。
※ノバセラ株式会社様の許可を得て、企業ロゴおよびウェブサイト画像を使用しています。