〇虚血性潰瘍等を対象とした血管内皮前駆細胞移植治療法の実用化を目指す
〇独自技術MNC-QQ培養法により、大量の血管内皮前駆細胞を生産
〇2020年内に治験届提出を計画
会社名 | 株式会社リィエイル ReEir, Inc. |
所在地 | 東京都港区港南1丁目9番36号 アレア品川13階 |
代表者 | 代表取締役CEO 吉田裕明 |
設立 | 2017年9月29日 |
上場 | 非上場 |
【会社概要】
血管内皮前駆細胞(EPC)による血管再生治療法の実用化を目指すバイオベンチャーです。独自の単核球細胞培養技術(MNC-QQ法)により、EPCを大量に増殖させることを可能としています。田中里佳 順天堂大学准教授/同社取締役CSOが進めていた、虚血性潰瘍等に対する血管再生治療法の開発を元に、その実用化を目的に設立されました。
【事業内容】
血管内皮前駆細胞とは
血管内皮前駆細胞(EPC; Endothelial Progenitor Cells)は、骨髄に由来する血管新生に関わる細胞で、常時末梢血内にも一定数存在しています。EPCはそれ自身が血管内皮細胞の一部となって血管新生に関わると同時に、VEGF等のサイトカインを分泌し、既存の内皮細胞の増殖・遊走を促進する役割があることが知られています。
以前より、国内外で慢性虚血性疾患に対するEPC移植治療の臨床試験が行われており、日本でも、2003年より慢性重症下肢虚血に対する自家EPC移植による血管再生治療の臨床試験が開始され、良好な結果が得られています。 しかしながら、治療効果は投与するEPCの数に依存する一方で、患者は高齢であったり、高血圧や糖尿病といった疾患を有していることが多く、そのような場合には十分なEPC数を得難いという問題点がありました。
独自技術:MNC-QQ培養
リィエイル社は、独自のEPC培養方法である末梢血単核球生体外増幅培養法(MNC-QQ; Mononuclear cells-Quality and Quantity Culture)法を用いています。これは、増田治史 東海大学准教授や同社の田中里佳 CSOらによって開発された培養方法で、EPCをVEGF, SCF等のサイトカインを含む無血清培養培地中で浮遊培養することで、短期間で大量に増殖させることができます。この培養法により、200 mLの血液から1週間で移植治療に必要な量のEPCを得ることができ、高齢者や、高血圧等の疾患を持つ患者からも十分な量のEPCを得ることが可能です。
開発状況
難治性四肢潰瘍を対象とした単回投与治療の第I相臨床試験(10例)が、順天堂大学病院において2017年に終了しており、現在、重症下肢虚血潰瘍を対象とした複数回投与治療の第I/II相臨床試験が進行中です。今後、リィエイル社主導で再生医療等製品としての開発を行う計画となっており、2020年中の治験届提出に向けて準備が進められています。