2023/11/1 全面的に改訂
〇独自のプロテインフリー分化誘導方法®によるiPS細胞からの心筋細胞誘導を基盤技術とするベンチャー企業
〇細胞培養培地，基材，操作法，培養装置など、全工程俯瞰型での細胞培養行程の改良サービスを提供
〇独自の培地組成ライブラリとスクリーニング技術による培地開発が強み
【会社情報】
| 会社名 | 株式会社マイオリッジ Myoridge Co. Ltd. |
| 所在地 | 京都府京都市左京区吉田河原町14番地 公益財団法人京都技術科学センター 本館B5号室 |
| 代表者 | 代表取締役 牧田直大 |
| 設立 | 2016年8月10日 |
| 上場 | 非上場 |
【会社概要】
細胞培養培地，基材，操作法，培養装置など、全工程俯瞰型での細胞培養行程の改良サービスを提供するベンチャー企業です。創業時のコア技術であったiPS細胞から低分子とアミノ酸のみでプロテインフリーで心筋細胞を誘導する独自技術を応用し、低コストなオリジナル培養培地の販売、カスタム培地の開発等を取り扱っています。また培養器材の評価・開発コンサルティング、自動培養・大量培養装置の開発・導入支援、創薬ツールとしてのiPS細胞由来心筋細胞など幅広いサービスを提供しています。
2022年4月に住友化学株式会社、株式会社三菱ケミカルホールディングス、 凸版印刷株式会社と資本業務提携を行っています。
同社の牧田社長は、大学院修士時代に本技術開発者の南技術顧問に誘われ、大学院を中退し創業者となった非常に若い経営者です。
社名は「筋肉」を意味する”myo”と「隆起」を意味する”ridge”を組み合わせた語で、会社ロゴは力こぶを表しています。心筋細胞を提供する会社であることと、牧田社長と南技術顧問が格闘技を通じて知り合ったということも関係していると思われます。
【企業理念/ミッション】
【事業内容】
基盤技術：プロテインフリー分化誘導方法による心筋細胞誘導
マイオリッジ社の基盤技術は、京都大学の南一成助教(当時)が開発したプロテインフリー分化誘導方法®によるiPS細胞からの心筋細胞誘導です。従来の誘導方法では効果で製品ロット差のあるタンパク試薬を用いるのに対し、同技術では比較的安価でロット差の少ない低分子とアミノ酸により誘導するため、従来の1/100のコストでロット差の少ない安定した心筋細胞の誘導が可能となります。
この基盤技術を基に、培養培地や創薬ツールの提供を行っています。
細胞培養培地
ヒト間葉系幹細胞、線維芽細胞、CHO細胞、株化T細胞、ハイブリドーマB細胞等、汎用性の高い「Ex-ALL in One」 や、異種動物由来成分を含まないゼノフリーヒト間葉系幹細用培地「Ex-MSC XF Medium」を始め、種々の培地を開発し、販売しています。
また、独自の培地組成ライブラリとスクリーニング技術を活用し、培地開発受託を行っています。
創薬ツール
創薬ツールとしてプロテインフリー分化誘導法®により作製されたiPS細胞由来心筋細胞製品CarmyA®を販売しています。同製品は高純度心筋細胞で、成熟したサルコメア構造や高いミトコンドリア活性を有しており、さらに独自開発の成熟化工程により、心室筋特有遺伝子の発現を増加させ、Ca2+トランジェントなど薬剤応答性の感度を向上させることができます。
そのほかに、心毒性評価モデルとしてミトコンドリア内ATPをイメージング評価できるATPセンサータンパクMaLion心筋細胞モデルを東京工業大学および東京大学との共同研究で開発し、MaLion導入CarmyA(CarmyA-mito-MaLion)の提供を行っています。
細胞大量培養装置
株式会社京都製作所と共同で細胞拡大培養装置を開発しています。本装置は浮遊細胞の培養において通常用いたれるプロペラにより撹拌ではなく、、容器の傾斜と、傾斜最下点を回転させる２軸制御によって容器内の培地の流れを制御することで細胞へダメージを与えない構造となっています。この装置では一度に100億個のiPS細胞の培養が可能であり、また装置内で浮遊させた状態でiPS細胞から心筋細胞への分化誘導にも成功しています。なお、京都製作所の細胞培養装置事業は現在はキヤノン社が取得しています。
※株式会社マイオリッジ様の許可を得て、企業ロゴおよびウェブサイト画像を使用しています。