2024年3月31日更新
〇不織布を用いた間葉系細胞の3D高密度大量培養技術を開発
〇同技術による自動大量培養装置Achieva-CSを開発・販売
〇エクソソームを効率的に製造可能な培養上清・エクソソーム製造用キットを開発・販売
【会社情報】
| 会社名 | 株式会社フルステム FullStem Co. Ltd. |
| 所在地 | 沖縄県うるま市字州崎12番地75 |
| 代表者 | 代表取締役 千葉俊明 |
| 設立 | 2016年8月25日 |
| 上場 | 非上場 |
【企業理念/ミッション】
【会社概要】
間葉系幹細胞の高密度大量培養技術を開発する沖縄のバイオベンチャーです。不織布を用いた、回収可能な高密度3D培養法を開発しています。同技術を基に、1台で最大1×109個の細胞(10cm培養ディッシュ1,000枚分相当)を得ることができる自動大量培養装置「Achieva-CS」を開発・販売しています。2022年より三井化学株式会社と幹細胞の高密度大量培養に向けた高機能不織布の共同開発を行っています。
2023年に内閣府沖縄総合事務局 沖縄型スタートアップ拠点化推進事業および経済産業省 成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)に採択されています。
また2021年に米国Life Sciences Review誌が選ぶ、2021年のTop10 Biotech Start up in APAC、および米国CIO Bulletin社の発行誌上で50 Most Innovative Companies to Watch 2021に選出されています。
【事業内容】
不織布3D高密度大量培養技術
医療用不織布をボトル中に充填し(最大4,000枚/1Lボトル)、不織布上で間葉系幹細胞を培養することで、高密度な大量培養を行います。また、酵素処理により不織布から90%以上の効率で細胞を回収する方法も開発しています。これらの技術により、1Lボトル1本あたり5×108個の大量培養を培養・回収することができます(10cm培養ディッシュ500枚分相当)。
次世代大量培養装置「Achieva-CS」
不織布3D高密度大量培養技術による自動大量培養装置Achieva-CS (アチーバ-CS)が開発され、2018年より販売されています。
本装置は専用培養キットをセットアップして使用し、細胞の培養および回収を自動で行うことができ、1台で一度に最大1×109個の細胞が回収できます。また、培養中に培地中の糖消費量をモニタリングすることで適切な細胞培養状態および細胞回収時期の予測ができます。本装置では、脂肪，骨髄，滑膜，羊膜，臍帯の各組織由来間葉系幹細胞での培養実績があります。
2018年の再生医療学会において、同装置の紹介をランチョンセミナー(主催：LMS社)で行った際には、当日のランチョンセミナーの中で整理券が一番最初になくなる等、大変注目を集めています。
さらに1×109個の細胞回収量を維持したまま、さらに小型化した超小型オールインワン装置Achieva-CS Standardも開発されています。
これらの装置の詳細についてはYoutubeのフルステムTVで確認することができます。
培養上清・エクソソーム関連製品
近年、自由診療として再生医療を提供するクリニックを中心に、幹細胞培養上清やエクソソームを投与する治療が行われています。ただし、これらの治療に使われる培養上清液は必ずしも適切な方法によって製造されたものとは限らず、安全性への懸念が高まっています。
その点において、同社の自動培養装置は閉鎖系かつ再生医療等安全性確保法に対応可能な装置であり、さらに不織布三次元培養では細胞1個あたりのエクソソーム産生量が通常の二次元培養と比較して2倍以上に多いことが確認されています。さらに脂肪幹細胞に対してはさらに2倍多くのエクソソームを産生させることのできる因子を発見しています。これらを組み合わせることで、通常の二次元培養での製造と比較して約80倍のエクソソーム産生を安全に製造可能な培養上清・エクソソーム製造用キットを開発し、販売しています。
※株式会社フルステム様の許可を得て、企業ロゴおよびウェブサイト画像を使用しています。