〇全国約2,200施設の歯科クリニックと提携した歯髄細胞の保管事業
〇九州大学や愛知学院大学等の研究機関と再生医療の共同研究
〇第一三共、エーザイ、積水化学等の製薬会社に歯髄幹細胞の提供
【会社情報】
| 会社名 | 株式会社セルテクノロジー Advanced Cell Technology and Engineering Ltd. |
| 所在地 | 東京都中央区新川一丁目2番12号 金山ビルディング3階 |
| 代表者 | 代表取締役社長 谷 匡治 |
| 設立 | 2008年10月30日 |
| 上場 | 非上場(ジーンテクノサイエンスグループ完全子会社) |
【会社概要】
歯髄細胞バンク®を運営し、全国約2,200施設の歯科クリニックや大学等の研究機関と連携して、歯髄細胞の保管事業および歯髄肝細胞を利用した再生医療の実用化開発を行っています。また、九州大学や愛知学院大学をはじめ、多くの研究機関と歯髄幹細胞を用いた再生医療開発の共同研究や、第一三共、エーザイ、積水化学等の製薬会社に歯髄幹細胞の提供を行っています。
2019年4月より、株式会社ジーンテクノサイエンスの完全子会社となっています。
【事業内容】
歯髄細胞バンク事業
①歯髄細胞
歯髄中には歯髄幹細胞と呼ばれる細胞が含まれており、歯髄中では線維芽細胞と象牙芽細胞に分化し、象牙質・歯髄複合体を維持しています。この歯髄幹細胞は間葉系幹細胞の特性を持ち、骨芽細胞、脂肪細胞、軟骨細胞、神経細胞への分化能や、抗炎症作用や血管新生作用、免疫抑制作用を有します。また、骨髄由来間葉系幹細胞と比較して、増殖能が高いことも知られています(Tamaki et al. Odontology, 101;121-32(2013)) 。歯髄細胞は、乳歯や抜歯した智歯(親知らず)から採取できるため、非侵襲性の細胞源として期待されます。
②歯髄細胞バンク®
セルテクノロジー社は、全国約2,200施設の歯科クリニックと提携し、本人用の細胞保管事業を行っています。抜歯もしくは抜け落ちた直後の乳歯や智歯(親知らず)から、同社の細胞保管施設(ACTE再生医療センター)において歯髄細胞の採取および拡大培養を行った後に、歯髄細胞を凍結保管します。
細胞保管は、同社のACTE東京再生医療センター(東京都江戸川区，施設番号：FA3170003)、ACTE山梨再生医療センター(山梨県笛吹市，施設番号：FA3150010)、および提携先の医療法人IMSグループ アイル再生医療センター(東京都板橋区，施設番号：FA3150012)で行われます。これらの施設は、それぞれ特定細胞加工物製造許可を取得しています。
再生医療開発
セルテクノロジー社は大学等の医療機関や製薬企業と提携し、提供された歯(献歯)から得た歯髄細胞を用いて、以下のような再生医療の開発を進めています。
(1) 骨関連疾患
昭和大学医学部整形外科講座と共同して、歯髄幹細胞を用いた骨関連疾患の治療法の開発を行っています。また、人工骨充填材の開発を行うオルソリバース社と共同して、口唇口蓋裂の治療法の開発を行っています。
(2) 眼関連疾患
岐阜薬科大学薬効解析学研究室と共同して、歯髄幹細胞を用いた眼関連疾患の治療法の開発を行っています。
(3) 脳性まひ
脳性まひは、胎児から新生児期に脳血流が低下したり感染症にかかったりすることが原因とされる脳機能障害で、出生児の500人に1人の頻度で発生します。東京都医学総合研究所、名古屋大学医学部附属病院、東京医科歯科大学と共同して、歯髄幹細胞を用いた脳性まひに対する新たな治療法の基礎研究を進めています。歯髄幹細胞の神経再生能力や炎症抑制能力により、脳性まひ機能障害の抑制や脳機能回復効果が期待されています。
※上記図中のJRM-001は、親会社であるジーンテクノサイエンス社と日本再生医療社の提携であり、セルテクノロジー社が開発に関わっているわけではありません。
その他、九州大学大学院歯学研究院の山座孝義 准教授や愛知学院大学歯学部の本田雅規 教授をはじめ、多くの大学と共同研究を行っています。
第一三共株式会社(中枢神経領域治療開発)やエーザイ株式会社(神経変性疾患領域治療開発)、積水化学工業株式会社(歯周再生の実用化)等に、研究用の歯髄細胞の提供を行っています。また、住商ファーマインターナショナル株式会社と提携し、研究用の歯髄間葉系幹細胞の分譲の準備が進められています。臨床用細胞については、再生医療等製品に用いる歯髄細胞由来臨床用マスターセルバンクの構築を、ニコン・セル・イノベーション社と共同して進めています。