〇脂肪幹細胞の産業化を行う、琉球大学発ベンチャー
〇沖縄県の再生医療産業活性化推進事業の脂肪幹細胞ストック事業に参画し、品質評価を担当
〇脂肪幹細胞培養上清を利用したスキンケア製品を開発・販売
会社名 | 株式会社 Grancell(グランセル) Grancell Inc. |
所在地 | 本社:沖縄県西原町千原1番地 琉球大学地域創生総合研究棟207号室 再生医療研究センター:沖縄県西原町上原207番地 琉球大学医学部 ロート再生医療研究センター1F |
代表者 | 代表取締役 野村紘史 |
設立 | 2017年2月 |
上場 | 非上場 |
【会社概要】
脂肪組織由来幹細胞を用いた再生医療の産業化として、脂肪幹細胞ストック事業や化粧品事業を行う琉球大学発のベンチャーです。再生医療研究成果を社会に還元することをミッションとして、野村代表取締役(琉球大学医学部附属病院非常勤講師 兼任)、清水雄介 琉球大学大学院医学研究科形成外科教授(グランセル社学術顧問)、角南寛 琉球大学医学部先端医学研究センター特命教授(同社学術顧問)によって設立されました。
社名は、フランス語で偉大なを意味する”Gran”と細胞の”Cell”を合わせたものです。会社ロゴは、それぞれの頭文字のGとCを組み合わせたデザインとなっており、幹細胞から命が生まれ、細胞の周りを一周してスタートに戻り、そして永久に続いていく様子が表現されています。Cのピンク色は、特定の観察方法における脂肪幹細胞の色を表しています。
【事業内容】
脂肪幹細胞ストック事業
沖縄県では県事業の一つとして、「再生医療産業活性化推進事業運営共同体(RMC)」を組織し、琉球大学を中心として脂肪幹細胞の実用化に向けた取り組みを進めています。RMCは琉球大学をはじめとし、国立成育医療研究センターや産業技術総合研究所、株式会社セルソースが参画しており、清水教授(グランセル社 学術顧問)が研究統括責任者を務めています。また、野村 代表取締役と角南 学術顧問も、琉球大学医学部形成外科所属としてメンバーに加わっています。
その中の主事業である脂肪幹細胞ストック事業においては、琉球大学附属病院や提携医療機関で採取した脂肪組織を、琉球大学内の細胞培養加工施設やセルソース社で抽出・培養し、株式会社エムティーアイのライフサイエンス研究所(琉球大学内に設置)にて凍結保存されます。グランセル社は、国立成育医療研究センターや産業技術総合研究所とともに品質評価を担当し、安全で治療効果が高く、長期保存可能な脂肪幹細胞を選別します。この事業では、2025年に500検体を保管する計画で進められており、保管された脂肪幹細胞は、琉球大学で肝硬変や下肢潰瘍などの治療に用いるほか、製薬会社と協力して再生医療製品の開発も目指します。(参照元:日本経済新聞2017年8月24日付『脂肪幹細胞を大量保存 琉球大、再生医療で新事業 医薬開発も視野』)
化粧品事業
脂肪幹細胞の培養上清液を原料としたスキンケアシリーズ「コスメアカデミア」を開発し、販売しています。原料となる培養上清液は琉球大学再生医療研究センターのCPCで製造されています。また、友利新 琉球大学非常勤講師を同社の同社学術顧問に迎え、新たな開発が進められています。